今回は、DAN(ダイバー・アラート・ネットワーク)やダイブコンピュータのメーカ、PADIから出ているダイビングにおける推奨プロファイルを見ていきたいと思います。
DANが推奨するダイビング
DANからは、複数日にわたって反復ダイビングをする場合は、以下のように推奨されています。
複数日のダイビングは、3~4日程度まで。
初日が一番深く、最終日に近づくにつれて浅い深度に潜るようにする。
1日のダイビングは3ダイブまで。
最初のダイビングのほうが一番深い深度で、
だんだん浅い場所でダイビングするようにする。
深度によって起こる弊害について
深い深度に行くに従って罹患する可能性が高くなる事柄についてまとめてみます。
深度 | 潜水方向 | 現象 |
4m以深 | - | 100%の純酸素で酸素中毒のリスク |
5m | 浮上時 | 1分間に18mよりもさらに遅い速度で浮上するのが好ましい |
28m以深 | - | 36%のナイトロックスタンクで酸素中毒のリスク |
30m | - | リクリエーショナルダイバーの最大深度 |
33m以深 | - | 32%のナイトロックスタンクで酸素中毒のリスク |
35m以深 | - | ガス昏睡のリスク |
40m | - | リクリエーショナルダイバーの限界深度 |
56m以深 | - | 通常の空気のタンクで酸素中毒のリスク |
さまざまな注意事項など
DANからだけでなく様々な団体や機関からの注意事項をまとめてみました。
- すべての深度において、1分間に18mよりも遅い速度(自分の吐く一番小さい泡を追い越さないスピード)で浮上することが推奨されています。
- エンリッチド・エアでダイビングするときは可能な限りいつでも、また、特に酸素曝露の許容範囲の50% を超えた場合などは、少なくとも1 時間の水面休息をとるようにしましょう。
- 関東地方のダイバーが、伊豆半島(特に西伊豆)でダイビングを行って、車で帰宅する際には(気圧の低い)高所を移動することになります。東名高速道路御殿場付近で標高454メートル、伊豆スカイラインや箱根ターンパイクでは、標高700 ~ 1000メートルを通過することになり、高所移動による減圧症発症の可能性が高まります。(TUSAダイブコンピュータの取説より抜粋)
- 日本国内の減圧症罹患者のダイブプロファイルを分析すると、最大水深がそれほど深くな
くて、無減圧潜水時間を守っていても、減圧症に罹患するダイバーが非常に多く見られます。それは特に水深15 ~ 19mあたりの水深で表示される無減圧潜水時間ギリギリまで長く潜ることによって体内に過剰な窒素が蓄積し、減圧不足になるダイバーが多いことに他なりません。(TUSAダイブコンピュータの取説より抜粋)