2021年2月21日のマクタン島&東京情報

img-2021-02-21-01-0038 マクタンニュース

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今日は加工なしです(笑)

スキューバ・ダイビングの話し

前提条件

今回で第3回目を迎える減圧理論を超カンタンに説明する試みですが、今回の記事を読む前に、前回までに説明した基礎知識をおさらいして下さい。

第1回 減圧症のメカニズムの大ざっぱな説明

第2回 ハーフタイム・コンパートメントのはなし

第3回 M値のはなし

第4回 ダイブコンピュータの計算のしくみ

 今回は、これまで説明してきた1つ1つの情報の集大成として、ダイブコンピュータが実際にどのようにして減圧不要限界を計算しているのかを説明します。

前回までに作った表

前回完成させた表を思い出してください。この表を使って、ダイブコンピュータの計算の動きを説明していきたいと思います。

graph-7

例えば20mへのダイビングの場合

では、例として20mへダイビングをしたときに、ダイブコンピュータはどんな計算をしてるのか、追っていきましょう。

① 20mの飽和窒素圧力を得る

飽和窒素圧力とは、水面でうける窒素の圧力が深度下でいくつになるかを示した数値です。計算方法がカンタンで、第1回目で示した水面の飽和窒素圧力(26.07 fswa)の何倍かを掛け算すれば良いだけです。今回の20mへのダイビングの場合は、下記のようになります。

水面での飽和窒素圧力26.07fswa×3気圧 =78.21fswa

graph-4
② 20mだと、どのハーフタイム・コンパートメントが飽和するのかを調べる

まず、5分ハーフタイム・コンパートメントから見てみましょう。
5分のハーフタイムコンパートメントのM0値は、104 fswa なので、20mでの飽和窒素圧力の78.21fswaよりも高くなっています。つまり、この20mの深度では、5分ハーフタイム・コンパートメントは飽和しないため、無視できるということです。

次に、10分ハーフタイム・コンパートメントを見てみます。
このハーフタイム・コンパートメントのM0値は、88 fswaで、こちらも20mでの飽和窒素圧力の78.21fswaよりも高いため、このコンパートメントも飽和しません。なので、無視です。

次に、20分ハーフタイム・コンパートメントを見てみます。
このハーフタイム・コンパートメントのM0値は 72fswaであるため、20mでの飽和窒素圧力の78.21fswaよりも小さいです。つまり、もしも20mの深度で78.21fswaいっぱいまで体内に窒素が入ってしてしまうまでダイビングをしていきなり水面へ出ると、体内の窒素の圧力のほうが許容できる窒素の圧力(72 fswa)より高くなってしまい、体内に気泡が発生して減圧症になってしまいます。
そこで、注視しなければならないのは、20分ハーフタイム・コンパートメントであるとわかりました。この場合の20分ハーフタイム・コンパートメントのことを「コントロール・コンパートメント」と言います。

③ ダイブコンピュータの表示

コントロールコンパートメントがM0値に到達するまでの残り時間がダイブコンピュータで表示されるNDL(減圧不要限界)の時間となります。

 ダイビングをしていれば深度も刻々と変わっていきますので、コントロールコンパートメントもリアルタイムに変わっていきますダイブコンピュータの残り時間の表示が深度を変えるたびに刻々と変わっていくのはこのためです

DECO警告

 どこかのコンパートメントがM0値をオーバーしてしまったことを検知すると、ダイブコンピュータは警告音を鳴らし、減圧停止が必要になったことを知らせます。一般には減圧(Decompression)を意味する「DECO」という警告が表示されます。

減圧停止ってなに?

 減圧停止とは、警告の対象となったハーフタイム・コンパートメントの圧力がM0値以下になるように深度下で安全停止のときにように停止することです。大抵の場合、ダイブ・コンピュータが所定の深度に来るごとに警告音を鳴らして減圧停止の残り時間をカウントダウンをしてくれますので、ダイブコンピュータの指示に従えば減圧停止できるようになっています。

※減圧停止は、安全停止ではないことに注意してください。
安全停止と違うのは、減圧停止の場合、複数の深度で複数回の停止を指示される場合がある点です。

TUSAのソーラー・ダイブ・コンピュータのユニークな機能

 現時点で複数のメーカーから販売されているほぼすべてのソーラー式ダイブコンピュータは、TUSAのものを使用しています。デザインが違っていてもダイブコンピュータの表示面が全く同じですのですぐに分かります。

 このTUSAのIQ-1204シリーズに代表されるソーラーダイコンには、他にないユニークな機能が備わっています。それは、DECO警告が出る前に、コントロール・コンパートメントのM0値まであと90%などというように、指定したパーセンテージに達したときに警告を発報してくれる「M値警告」機能です。

 この機能があると、いきなりDECOが出て慌てる必要がなくなります。M値警告が出たら、すぐさまゆっくりと深度を浅くしていけば、緊急減圧をしなくてもふつうにエキジットできます。

 どのくらいになったらM値警告を出すのかは、ユーザーが自分の好みの値を設定できるのも良い点だとと思います。深い深度でより安全なダイビングをしたいのであれば80%とか85%あたりに設定すればいいわけですので。

tusa iq-1204

ダイコンの計算はつづく・・・

 また、1日に複数のダイブ(反復ダイブ)をする場合に、ダイブコンピュータのプラン・モード(スクロールモード)を使って次のダイビングで行ける最大深度などを見れることはご存知でしょうか?

 これは、ダイバーがダイビングを終了して陸やボートに上がっても、ダイブコンピュータは継続して、すべてのハーフタイムコンパートメントから窒素分圧がが無くなるまで刻々とハーフタイムコンパートメントの計算を続けているためです、

 ちなみに、プラスチック板のPADIのRDPテーブルでは、エキジット後6時間がたつと、体内のすべての窒素が払い出されたものとしています。

一応完結

 全4回にわたってお伝えしてきましたダイビングの減圧理論のはなし。いかがでしたでしょうか。なるべくわかりやすく説明ができるように、無駄な説明やたとえ話しは極力省いて、写真や表をなるべく多く使って解説しようと試みてきましたが、現在のダイブコンピュータは実に様々な改良が施されていて、より安全で、かつテックダイビングやナイトロックス、トライミックスなど現代の多様化するたくさんのダイビングスタイルに安全に対応するために、本稿で説明したよりもずっとずっと複雑な計算をこなしていることを知っておいて下さい

 減圧理論は、スキューバ・ダイビングをするうえで、非常に重要な知識ですが、これがけっこう複雑で、英語の文献以外に核心にふれる文献は見つからず、間違って解釈しているひとが非常に多く(またそういう人に限って説明が長いし😂)、また、誰にでも分かりやすいように簡潔な文章で書かれていて、間違った解説が入っていない日本語の文献を探すことも結構骨の折れる作業でした🤓。下に紹介しています資料や情報は、本稿を書き上げるうえで、どれもたいへん参考になりましたのでここに記載しておきます。

参考文献

・「IQ-1204 取り扱い説明書」株式会社タバタ TUSA
・「減圧症の予防法を知ろう」株式会社タバタ TUSA
・「RDPマニュアル」PADI
・「PADIエンサイクロペディア」PADI
・「PADIエンリッチドエアダイバースペシャルティマニュアル」PADI
・「PADIダイブマスターマニュアル」PADI
・「ダイビング事故事例」ダイバーラートネットワーク(DAN)
・「ダイビング事故年次レポート」The British Sub Aqua Club(BSAC)
・「事故を起こさないための潜水医学」大岩 弘典
・「新しい潜水医学」大岩 弘典
・「Gradient Factors」Matti Anttila, Ph.D
・「Understanding M-values」By Erik C. Baker, P.E
・「CALCULATION OF DECCMPRESSION SCHEDULES FOR NITROGEN-OXYGEN AND HELIUM-OXYGEN DIVES.PROJECT NO.SF-011-06-05 TASK NO.11514,SUBTASK 5」R.D.WORKMAN
・「アクアラング i770-R マニュアル」アクアラング
・「これ以上やさしく書けない、ダイブコンピューターとM値の話」唐澤 嘉昭
・ウィキペディア日本語版
 減圧症
 ヤード・ポンド法
・ウィキペディア英語版
 John Scott Haldane

今日のねこ

家の中をパトロール中のイリンさん。

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 ダイビング認定団体を超えた地域への貢献と海洋保護を目的としたダイバーとダイブショップの活動を報告。マクタン島在住もしくはマクタン島を頻繁に訪れる方で海洋清掃ダイブやビーチ清掃活動に参加できる方なら誰でも入会できます。

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