モアルボアル

モアルボアルのパグナサマビーチ周辺は、まさに“欧米式ダイビングスタイル”が根付いたエリアです。予約なしで立ち寄って、そのまま気軽にダイビングへ出かけられる自由な雰囲気が最大の魅力。ビーチ沿いには欧米人オーナーのダイブショップやバー、カフェが並び、ウォークインでも「今から行く？」という軽いノリで海へ出られるのが特徴です。こうした自由度の高さからバックパッカーや長期滞在の欧米人に特に人気があり、通りを歩けば国際色豊かな会話が飛び交います。リラックスしたビーチタウンの空気と“思い立ったらすぐ潜れる”スタイルが融合した、モアルボアルを象徴するエリアです。

モアルボアルの最大の見どころのひとつが、世界的にも珍しい規模を誇る“イワシの大群（イワシトルネード）”です。岸からわずか数十メートルの浅瀬で、何万、時には何十万というイワシが巨大な雲のように密集し、光を反射しながら形を変えて泳ぐ姿はまさに圧巻。ダイバーはもちろん、シュノーケリングでも間近で観察できるため、初心者からベテランまで誰もが感動するモアルボアルの名物となっています。頭上を覆い尽くすように動く銀色の群れは、自然が織りなす壮大なショーそのもので、一度見たら忘れられない圧倒的な体験を与えてくれます。

モアルボアルのもうひとつの大きな魅力が、ウミガメといっしょにダイビングできることです。特にパグナサマビーチ周辺ではアオウミガメの個体数が多く、ダイビング中はもちろん、シュノーケリングでもゆったりと泳ぐ姿に高確率で出会えます。人慣れしている個体も多いため、すぐ近くを並んで泳げることもあり、その穏やかな表情や優雅な動きに心を奪われるダイバーも少なくありません。透明度の高い海の中で、ウミガメと同じ時間を共有できる体験は、モアルボアルを訪れる多くの旅行者にとって忘れられない思い出となっています。

モアルボアルのボートダイビングは、とにかくスケールが大きく圧巻です。代表的なポイントであるペスカドール島（ペスカトーレ島）では、ダイナミックなドロップオフや迷路のような地形が広がり、光が差し込む穴やクレバスを抜けていくスリリングなダイビングが楽しめます。さらに周辺には、美しいソフトコーラルや多彩な魚が集まるポイント、壮大な地形を堪能できるスポットなど、魅力的なボートポイントが数多く点在。透明度が高い海と変化に富んだ地形が楽しめるモアルボアルのボートダイビングは、初級者から上級者まで心をつかむ、まさに“外せない”体験です。

モアルボアルはアフターダイビングの時間も魅力にあふれています。パグナサマ周辺には欧米料理を中心としたレストランや、ヘルシーフードのカフェ、カラフルな雑貨やハンドメイドのお土産品を扱うショップが立ち並び、海から上がったあとに街を散策するだけでも十分に楽しめます。ダイバー向けの開放的なバーでは旅人同士の交流が生まれやすく、リラックスした南国の雰囲気の中で一日の余韻を味わえるのも魅力。昼も夜も心地よく過ごせるのが、モアルボアルならではの楽しみ方です。